Quantcast
Channel: 灰皿猫の日々是放言暴言ブログ~難癖・厭味が怖くてブログが書けるか!!~
Viewing all articles
Browse latest Browse all 5863

4月12日の「日本の昔話」

$
0
0

広島ブログ



                                            きんぴかのやかん

 むかしむかし、あるお寺の床下に、タヌキが住んでいました。

きんぴかのやかん

 このタヌキは頭の毛がうすい事から『はげダヌキ』と呼ばれていたのですが、何とこのはげダヌキは人助けが大好きなのです。

 ある年の暮れの事、はげダヌキがお寺の近くのとうふ屋へ油揚げをもらいに行くと、とうふ屋の主人がため息をついていました。

きんぴかのやかん

「困ったな。こうもお金がなくては、とうふをつくる豆も買えない」
 これを聞いたはげダヌキは、とうふ屋の主人に言いました。

きんぴかのやかん

「心配せずとも大丈夫。いつもおいしい油揚げをいただいている恩返しに、おいらが何とかしましょう」

きんぴかのやかん

 そしてはげダヌキは、きんぴかのやかんに化けて自分を売るように言ったのです。
 やかんは間もなく、通りかかった金持ちの旦那に買い取られました。

きんぴかのやかん

「これは良い買い物をした。全く素晴らしいやかんだ。もっとみがけば、もっと光るかもしれんぞ」
 だんなはさっそく、やかんをみがき始めました。

きんぴかのやかん

 やかんに化けていたはげダヌキは、くすぐったいやら痛いやら。
 でも、ばれてはいけないので、じっと我慢していると、みがかれすぎて、ただでさえうすい頭の毛をツルツルにされてしまいました。
(ああっ、大切な頭の毛が・・・)
 これ以上みがかれてはたまらないので、はげダヌキは旦那が手を離したすきに逃げ出して、お寺の床下に隠れました。

きんぴかのやかん

「ああ、こんなツルツル頭では、恥ずかしくてどこにも行けないや。でも、とうふ屋に恩返しが出来て良かった、良かった」
 それからもはげダヌキは人助けを続けて、人々に大切にされたと言う事です。

おしまい


Viewing all articles
Browse latest Browse all 5863

Trending Articles