それに、昨年はそういうのが無かったことを考えると、ゲーム差を見ても確実にカープとセリーグ5球団の
差は縮まってきていると思う。
大体、シーズン通して故障者がでまくったヤクルト、中日、不調者が多かった巨人に対し、カープはそこまで
悪い状態ではなかっただけ。
何時立場が逆転してもおかしくないレベルだと猫は思うよ。
独走で連覇へ…広島にセ5球団は歯が立たないのか?〈dot.〉
9/10(日) 14:36配信
広島がリーグ連覇に向けて、ひた走っている。5日からの2位阪神との直接対決で3連勝し、リーグ優勝へのマジックを急速に減らした。ゲーム差6.5での対決と、天王山と呼ぶにはやや無理もあった阪神との3連戦だったが、8月のチーム成績が17勝9敗1分の阪神に対して、広島は今季初の月間負け越しとなる12勝13敗2分と、勢いの差は歴然で、虎党が夢を見る要素は多分にあった。
しかし、シーソーゲームとなった初戦を、安部友裕の劇的サヨナラ弾で広島が勝利してマジック12が点灯すると、2戦目は延長戦の末、會澤翼の適時打で2試合連続サヨナラ決着。3戦目も逆転勝ちで広島の3連勝となり、奇跡の逆転優勝を狙う阪神に引導を渡す形となった。
今季の広島は、開幕2戦目からの10連勝(1引き分けを挟む)以降、そのまま独走状態を保ち続け、現在に至っている。かつては鬼門と言われた交流戦には、貯金10からスタートし、最終的には12勝6敗と12球団2位で終え、阪神以外のセ・リーグ各球団が貯金を作れない中、6つの貯金を増やした。
昨季はセ5球団全てに勝ち越し、文字どおり完全優勝を果たした広島だが、今季は9月9日現在でDeNAに9勝11敗と負け越しており、阪神とも9月の3連戦前までは、10勝9敗1分と互角の成績だった。そんな状況下で独走態勢を築けたのは、開幕前は優勝争いのライバルと目された巨人と、故障者続出で最下位に低迷するヤクルトとの対戦成績にある。巨人とは16勝7敗、ヤクルトは16勝6敗と、この2チーム相手で実に19もの貯金を作っている。
特に巨人は、交流戦前までの11試合で10勝1敗と完全にカモにしており、敵地で不利なはずの東京ドームで開幕から7連勝し、今季初黒星を喫したのが8月30日と、にわかに信じがたいような結果となっている。今季の巨人の7勝のうち、6勝が田口と菅野の先発時に挙げたもので、他の先発投手では勝負にならない状況だ。今季12勝と好調なマイコラスも、自身の6敗のうち4敗が広島相手と、球団史上に残る優良助っ人にとって、唯一とも言える苦手チームとなっている。
ヤクルトも4月と5月の神宮3連戦に負け越したのみで、その他のカードは全て広島が勝ち越しと、完全にお客さん状態と言える。昨季まで天敵だった山田哲人とバレンティンの2人が、今季はいずれも対戦打率が2割台前半と、主軸を抑え込んだことが、貯金10という対戦成績につながっている。
その他の3チームには、いずれも昨季は一度もなかった同一カード3連敗を喫しており、必ずしも一方的な展開ではなかった。中日には14勝7敗2分と、すでにシーズン勝ち越しを決めているが、5月の3連戦では同一カード3タテを喫し、8月にも3連戦で1分2敗と、鬼門のナゴヤドームは健在だった。阪神にはGWの3連戦で9点差からの逆転負けを含む3タテ、DeNAには8月に3戦連続サヨナラ負けでの同一カード3連敗と、ペナントレースの行方を左右しかねない連敗があった。
それでも、これらの悪い状況を全て覆すのが、ホームゲームでの驚異的な勝率だ。交流戦を含めた今季の成績は45勝17敗1分の勝率.726、リーグ戦に限ると39勝14敗1分の勝率.736と、さらに跳ね上がる。前述した3度の同一カード3連敗は全て敵地でのもので、中日相手にはマツダスタジアムで2度の同一カード3連勝を含む10勝2敗と一方的な成績で、対戦成績が互角に近い2チームも、地元では阪神を8勝2敗1分と圧倒し、対戦成績がマイナスのDeNAでもマツダスタジアムで4勝4敗と五分の成績を残している。
9月の天王山3連戦で2試合連続サヨナラ負けを喫した試合後、阪神の金本監督は「ここは、まあ、なんと言うか、そういう風が向こうに吹いている」とマツダスタジアム独特の雰囲気にお手上げ状態だった。同カードで広島の3連勝が決まった時、緒方監督が「大きな声援の後押しがあった。選手も声援で乗っていけた」とコメントしたように、今季は地元で勝利した試合後の監督会見では、かなりの高確率でスタンドを超満員に埋めるファンへの感謝の言葉が出た。
現在の広島が他球団を圧倒するだけの戦力を有していることも間違いない。田中広輔、菊池涼介、丸佳浩の同級生トリオが不動の1、2、3番を形成し、新井貴浩、エルドレッドのベテランが休養を交えながら、クリーンアップでポイントゲッターとして機能する。さらに今季10年目の大ブレイクを果たした安部や2年目の西川龍馬、さらには終盤の代走要員で存在感を見せはじめている野間峻祥など、脇を固める選手もレベルアップが著しい。投手も野村祐輔、岡田明丈、大瀬良大地らのドラフト1位入団の先発陣に、ブルペンも昨季からの今村猛、ジャクソン、中崎翔太に加えて一岡竜司、中田廉、さらに先発、リリーフ兼用の九里亜蓮など、多彩な顔ぶれが揃っている。
開幕直後には昨季沢村賞のジョンソンが離脱し、シーズン終盤には不動の4番で90打点をマークしていた鈴木誠也が故障で今季絶望となったが、チームの勢いは衰えることがなかった。投手では薮田和樹や中村祐太、野手では松山竜平やバティスタなどが活躍するなど、誰かが抜けても、他の誰かが出てくる選手層の厚さは、他球団を寄せ付けないものがある。
選手はもちろん、首脳陣やファン、さらにはホームスタジアムなど、全てがいい方向に噛み合い、チームは37年ぶりとなるリーグ連覇を目前としている。その先に待つ、昨年成し遂げられなかった日本シリーズ制覇となれば、カープの新たな黄金時代の到来は近いかもしれない。