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カープな話。突き詰めりゃ、他球団よりカープに少しだけ“運”が多かったことが今季の優勝に繋がっただけで

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広島ブログ


決して今のカープが黄金時代が近づいていると勘違いしちゃいけんということでもある。
数値自体は悪くない中日が下位に沈んでいることを考えれば、来年のカープがそうなる可能性だって
あるわけだしね。
優勝で浮かれてるファンモドキも多いだろうけど、今年は今年と割り切って来年はまた慎重に用心して
カープというチームを見て行きましょうね。
今のカープも、怪我人が2~3人出ただけで大きく戦力バランスが崩れるのは明らかなんだから。





<プロ野球>新井、黒田以上に優勝に貢献した選手は? セイバーメトリクスで分析する広島の強さ

毎日新聞 9月11日(日)7時0分配信

 プロ野球のセ・リーグで10日、広島東洋カープが25年ぶりの優勝を果たした。長年、チームは低迷していたが、今季は投打ともに好調で、2位以下を大きく引き離した。統計学的に野球を分析する「セイバーメトリクス」が専門の統計学者・鳥越規央さん(47)に、データから見た今季の広島の飛躍の理由を聞いた。(主なデータはいずれも9月4日時点)【聞き手・大村健一/デジタル報道センター】

 ◇優勝にもっとも貢献した選手は誰?

 --今年の広島の印象は。

 何よりも、けが人が少なかった。3月の開幕から8月末までに、けがが原因で登録抹消されて2軍に行った選手数をスポーツ紙などに掲載された短信からまとめると、広島は延べ5人でセ・リーグ最少。しかも、ほとんどの選手が早く1軍に戻ってきています。昨年優勝のヤクルトは最多の同23人、そのほかのチームも同10人前後がけがで抹消される中、シーズンを通じて持っている戦力をフルに活用できたのは広島だけでした。

 1番・田中広輔、2番・菊池涼介、3番・丸佳浩の上位打線をほぼ全試合で固定でき、そこに新井貴浩の復活、鈴木誠也の大ブレークが重なりました。元来しっかりしていた先発投手陣は、昨季までのエース・前田健太が米大リーグ・ドジャースに移籍しても、ジョンソン、黒田博樹、野村祐輔がローテーションを守り続けています。そこに、中継ぎでジャクソンという頼れる新助っ人がやってきた。率直な感想を言えば、奇跡的なシーズンだったと思います。

 --データから見て、優勝にもっとも貢献した選手は誰でしょうか。

 セイバーメトリクスには、投手と野手で分け隔てなく貢献度を測定できる総合評価指標「WAR(Wins Above Replacement)」という指標があります。

 「一般的な控え選手と比べて、その選手が1年間で何勝分の勝利に貢献したのか?」を示すものです。打撃、守備、走塁、投球など各プレーでの貢献に加え、試合に出場するほど「控え選手に出番を譲らなかった」として数値が加算されます。マイナスになることもあり、その場合は「控え選手が出た方が勝っていた」ということです。非常に複雑な計算式で、さまざまなデータを補正しながら算出しています。この数値で「15勝した投手と、打率3割の打者のどちらがチームに貢献したか?」を比較することが可能になりました。

 WARの数値はDELTA(デルタ)社の有料データサイト(http://1point02.jp/op/index.aspx)などで紹介されています。そのデータによると、セ・リーグは坂本勇人(巨人)、山田哲人(ヤクルト)、筒香嘉智(DeNA)がトップ3で、菊池、鈴木、丸の広島勢が続きます。その後に投手の菅野智之(巨人)、ジョンソン、メッセンジャー(阪神)が入ってきます。トップ10のうち5人が広島なので、他チームを圧倒して優勝するのもうなずけます。

 --MVP候補の新井、黒田の両ベテランが入っていないのは意外でした。

 どちらも数値はプラスです。しかし、データ上はさらに優秀な選手がいたということですね。

 ◇セイバーメトリクスとは?

 --走攻守それぞれで今年の広島について分析する前に、まずセイバーメトリクスが生まれたきっかけや、意義について教えてください。

 元々は「学問として」よりも、米国の野球愛好家が監督の采配の妥当性などを議論するために、新たな指標を作ったことがきっかけでした。セイバー(SABR)はアメリカ野球学会の略称で、メトリクスは「測定法、指標」といった意味です。

 米国は「ファンタジーゲーム」というウェブ上でのシミュレーションゲームが普及しています。参加者が開幕前、模擬的に「ドラフト会議」をして架空のチームを編成し、実際の各選手の成績に応じてポイントを競い合うゲームです。安い年俸でも活躍する選手を効率よく見つけるため、セイバーメトリクスは発展を重ねました。

 現在は、実際のチーム編成にも使用されています。米大リーグ・アスレチックスが舞台のノンフィクション「マネー・ボール」はブラッド・ピット主演で映画化され、資金難で低迷していたチームを復活させたセイバーメトリクスの効果は広く知られるようになりました。

 --野球のデータといえば、各選手が安打を放つ確率を示す打率や、投手が1試合でどれくらいの点を取られるかの目安となる防御率があります。にもかかわらず、なぜセイバーメトリクスが必要なのでしょうか。

 打率や防御率は分かりやすい数値です。しかし、出塁するなら安打だけでなく、四球でも可能ですし、単打でも長打でも同じ1本の安打としてしかカウントされずに計算される打率は、必ずしもその選手の「出塁能力」を如実に示すものとは言えません。打点も、打席に立った時点での走者の有無に大きな影響を受けるので、前の打者の力によるところが大きい。必ずしも各選手の得点獲得能力を正確に示すものではありません。

 投手成績に関しても、勝利数は、極端に言えば10点取られようが、味方が11点を取って五回まで投げ切れば勝ちになります。防御率も、ポテンヒットのような偶然や、味方の守備力に左右されるので、必ずしも投手だけが原因とは言えません。そうした既存のデータで表せなかった部分を補うためにセイバーメトリクスでさまざまな指標が開発されました。

 ◇2番・菊池の送りバント減が奏功? 予測していた「鈴木の大ブレーク」

 --広島の特筆すべき点を教えてください。野手のセイバーメトリクスでの数値はどうですか?

 打撃に関するセイバーメトリクスの指標で、最も一般的なものは「OPS(On-base Plus Slugging)」です。これは「出塁率」と、安打で打者が進んだ塁の数(安打1、二塁打2、三塁打3、本塁打4)を打数で割った「長打率」を足しただけのシンプルな数値です。なぜこの数値が重宝されるのかというと、打率以上に、選手やチームの得点獲得能力との相関関係が強かったからです。

 今年の広島はOPSが優秀な選手がそろっています。チーム全体のOPSを見れば、0.772で12球団中ダントツです。全体2位の日本ハム(0.730)、セ・リーグ2位のヤクルト(0.710)を大きく引き離しています。

 個別の選手では、0.8を超えれば優秀とされる数値ですが、鈴木は1を超えており、エルドレッド、丸、新井、菊池も0.8を超えています。中軸だけでなく、2番の菊池や、6番を打つことが多かった鈴木が中軸に勝るとも劣らない成績を残している点は大きいです。

 私は、鈴木について2年前にスポーツ紙のコラムで「これからブレークするに違いない」と予言しました。当時はまだ1軍の試合に出始めたばかりでしたが、OPSが1を超えた時期がありました。かつてヤクルトの畠山和洋や、DeNAの梶谷隆幸も1を超えた時期があったシーズンがあり、その後にブレークしていたからです。比較的、簡単に算出できるOPSは、若手の有望株を発掘する際にも有効な指標になりそうです。

 --広島はセ・リーグで唯一、総得点が600点を超えるなど、攻撃力が他を圧倒しています。ここ数年、「投高打低」に苦しんできたチームとは思えません。他に打線のプラス要因として考えられることはありますか。

 2番の菊池が打撃好調で、送りバントが減ったことも得点力アップの要因かもしれません。同じく2番で起用されることが多かった昨年は49犠打をマークしましたが、今年は現時点で22。必要最低限の場面でしか送りバントをしていません。

 2004~13年のプロ野球レギュラーシーズンの10年分の全データから、アウトカウントと塁の埋まり具合の24通りの状況ごとに、その回が終了するまでに得点が入る確率や入る得点の期待値を計算したことがあります。結果は無死一塁と比べて、1死二塁の状況はどちらも下がっていました。得点のため、一つのアウトと引き換えに塁を進める送りバントという作戦が、逆に得点の可能性や期待値を下げていました。

 もちろん、打てば併殺打になる可能性もあります。しかし、送りバントも少なからず失敗の可能性があります。菊池の打撃が好調で、送りバントを多用せずに済んだことが、結果的に得点力をアップさせたと考えることはできると思います。

 --走塁面でも広島の盗塁数はセ・リーグでトップです。

 上位打線や鈴木など俊足の選手が多く、赤松真人という代走のスペシャリストまでいます。ただし、チーム全体の盗塁成功率はさほど高くないので、両刃の剣ではあります。

しかし、足の速い選手が塁に出れば、相手バッテリーが速球中心の攻めをするようになり、打者が狙い球を絞りやすくなります。実際、打点がセ・リーグトップの中軸・新井に相手投手が投げた球は、5割近くが直球というデータがあります。上位打線が出塁し、直球中心となった相手の球を逃さずに打っているから打点を稼げているのでしょう。足の速い選手が多いことの効果と言えます。

 ◇投手力と守備力も際立つ広島 黄金時代は続くのか?

 --今年の広島は守備力も優秀な印象です。そもそもセイバーメトリクスで守備力はどのように算出するのでしょうか。また、実際に広島の守備は優れているのでしょうか。

 かつて守備は失策の数でしか示せませんでした。しかし、守備範囲の広い選手が打球に何とか追いついたもののミスしてしまったケースは失策となり、逆に普通の選手なら捕れたはずの打球を追いかけずに安打にしたケースは失策にカウントされません。

 これらの課題を解決するため、現在は「UZR(Ultimate Zone Rating)」という指標が開発されました。打球が飛んだ位置を176のゾーンに分け、ゴロ、フライ、ライナーといった打球の質、強さなども加味して、選手が各範囲の打球にどのように対処したかを算出します。さらに内野手の場合は併殺を奪取する能力、外野手の場合は肩の力を踏まえ、「同じポジションの平均的な選手に比べて、各選手が守備でどれくらい失点を防いだか」をはじき出したものです。

 両リーグの二塁手の中で菊池のUZRはずぬけており、守備範囲が広い上にエラーが少ない。守備での貢献が、総合評価のWARを高くした理由でしょう。来春のワールド・ベースボール・クラシックで、日本代表のレギュラー二塁手に菊池と山田のどちらを選ぶか、小久保裕紀監督は悩むでしょうね。中堅手の丸、右翼手の鈴木もセ・リーグトップで、遊撃手の田中も数値は優秀です。センターラインを中心とする守備の良さは数値にも表れています。

 --投手陣はどうでしょうか。

 セイバーメトリクスで先発投手の役目として、重視されているのは六回まで自責点3以下に抑えることです。これを「QS(Quality Start)」と言います。QSが多ければ多いほど先発として安定した成績を残したと言えます。

 ジョンソンは今季、90%以上の確率でQSを達成し、安定感は抜群です。また、本塁打を浴びる確率が規定投球回を投げているセ・リーグの投手の中でもっとも少ない点も、好成績の一因となっています。野村、黒田も安定した数値を残していますね。中継ぎのジャクソン、今村猛は、奪三振の割合が高い。リリーフ陣がしっかりしているので、先発を無理に長く投げさせる理由がない点も、けがが少ない理由と思います。

 --2位以下を大きく引き離しての優勝で、主力は若手も多いです。来季以降も期待できるのでは。

 冒頭で、異常なまでのけが人の少なさが広島の優勝につながったと話しました。これは昨年セ・リーグ優勝したヤクルトや、2014年のパ・リーグで最終戦まで優勝を競い2位だったオリックスととても似ています。両チームともに翌シーズンはけが人が続出し、低迷しました。過去2年連続日本一で圧倒的な戦力を誇り、今年もぶっちぎりだったパ・リーグのソフトバンクもやはりけが人の影響で日本ハムとデッドヒートを繰り広げています。来季のけが人を防ぐには、シーズンオフの過ごし方が大事になるでしょう。

 セ・リーグは今、戦力が非常に均衡しています。成績が低迷して谷繁元信監督がシーズン途中で休養した中日も、データを検証すると、戦力的には悪くない。しかし、打線がいいときは投手が崩れ、投手がいいときは打線がつながらなかった。その「かみ合わせ」がものすごく悪かった。シーズンオフの補強にもよりますが、今年の広島のようにシーズンを通じて持っている戦力をフル活用できれば、来季もどのチームにもチャンスがあるのではないでしょうか。


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