だって元プロと似たような予想なんだもん(^^)。
よく言えば“夢見がちな”、普通に言えば“能天気な”カープファンも多いけど、よほど現実を見たくない
連中ばかりなんだなと思ってしまう。
Full-Count 3月24日(木)10時6分配信
2016年シーズンのプロ野球開幕が25日に迫っている。セ・リーグは今季、巨人、阪神、DeNAの3球団で新監督が就任。指揮官全員が40代というフレッシュな顔ぶれで、ペナントレースを争うことになった。
昨季は過去に例のない大混戦となり、一時は1~6位が2.5ゲーム差にひしめき合うという事態も発生。交流戦でパ・リーグ球団に惨敗したこともあって、全チームが借金生活になるという史上初の“珍事”もあった。
結果的に就任1年目の真中満監督率いるヤクルトが14年ぶりのリーグ制覇を果たしたが、今季はどんな展開となるだろうか。ヤクルト、日本ハム、阪神、横浜の4球団で捕手として活躍した野球解説者の野口寿浩氏が、順位を予想した。1月に「日本一早い順位予想」として、いち早く今季の展開を占った同氏だが、今回はキャンプ、オープン戦の内容を踏まえた上で予想順位を決めてもらった。※カッコ内は1月時点での順位予想。
○6位 中日(6位)
昨季は5位だったが、野口氏はさらに1つ順位を落として最下位になると予想。今季はオープン戦で苦戦し、「結果が出てないのはもちろんなんですけど、『それでもシーズンに入ったら期待を持てる』というやられ方じゃないですよね。『シーズンに入ってどうするんだろう』という負け方をしてる。『開幕したら苦労するだろうな』と」と分析する。
まずは先発投手陣について、野口氏は「前(先発)がいないですよね」と指摘。大野、ネイラーは計算できるものの、バルデスは左肩痛で出遅れた。「吉見が帰ってきてくれたとしても、どれだけカバーしてくれるのか。無理して投げさせて、途中でいなくなるほうが痛い」。昨季、10勝4敗、防御率2.12とブレークした若松も、オープン戦で苦戦。野口氏は「分かっていても打てないチェンジアップが、打たれ始めたんですよね。チェンジアップに頼らないピッチングができるようになるのか。それとも、去年みたいに絶対的なチェンジアップを思い出してくれるのか」と不安視する。
「打線もビシエドはまだクエスチョンマーク。始まってみないとわからないところがあるので、大島と平田でどれだけ点を取れるかというところになってしまう。ピッチャーで救世主的な選手が1人といわず2人くらい出てきてくれないと、厳しい感じがします。最も不安要素があるのが中日かなと」
○5位 DeNA(5位)
ラミレス新監督の就任で、チームの変化に注目が集まっているDeNA。ただ、前年から1つ順位を上げるものの、5位に終わると野口氏は見ている。キャッチャー出身として、どうしても気がかりな点があるという。
「ベンチから配球の操作をしてうまくいけばいいんですけど……」
ラミレス監督は、オープン戦では戸柱の成長もあってサインを出すことはほぼなかったが、シーズン中には勝負どころで配球を指示すると示唆している。野口氏は、ベンチから配球を指示することにはリスクがあると指摘する。ヤクルト時代、まだ1軍に上がりたての若手の時に、負傷した古田敦也氏に代わって途中出場し、野村克也監督(当時)からサインを出したもらった試合があったというが、「横から見ていたら分からない」と言われたという。
「野村さんほどの人でも、分からないんですよ。自分でホームベースの後ろに座って、いろいろと観察して、ピッチャーの球もどういう状態と見ながらじゃないと、配球は難しいんだということですね。なので、ベンチからサインを出すということが気がかりで、頭に残ってしまう。ちょっと厳しいかなと」
もちろん、期待できる部分もある。「6位じゃないのは、筒香、梶谷が頑張ってくれるだろうという期待です。梶谷が戻ってこられそうなのは、かなり大きい。ロマックも期待できると思います。いい打線は組めますからね」。不安要素を吹き飛ばすような戦いをできるだろうか。
○4位 広島(4位)
昨年と同じように、広島はクライマックスシリーズ(CS)進出に一歩届かないと野口氏は予想した。何よりも、ドジャースに移籍した前田健太の穴が大きく、昨年エースが挙げた15勝(8敗) を他の投手で埋められる見込みは低いと見ている。
「前田の穴は大きいと言っている中で、大瀬良まで穴を開けてしまったので、ちょっとピッチャーが厳しいかなと。ジョンソンは実力を持ったピッチャーなので、そこそこ数字は残すと思います。ただ、去年も成績は残している。そうではなくて、前田の分を上積みしなければいけないので。
黒田とジョンソンの2人で10勝以上の上積みは厳しい。黒田も上積みは出来て1つか2つ。去年9勝の福井も、12、3勝してくれれば御の字だと思います。それでも計3、4勝くらいなので到底、マエケンの穴は埋まらないですよね」
投手陣の出来次第では「DeNAと入れ替わって5位ということもあるかもしれない」と野口氏は予想する。「打線はキクマル(菊池、丸)が今年は元気そうなので、あとはルナがどれだけやってくれるか。去年の新井の役割をルナがやって、プラス新井がいるとなれば、打線は多少は上積みはあります。ただ、果たして、それをこらえてくれるピッチャー陣がいるのか」。大エースが抜けた穴は大きく、厳しいシーズンとなると分析した。
○3位 巨人(3位)
開幕前に大きな問題で揺れた巨人は、CS進出圏内には入るものの、2年ぶりの優勝には届かず、昨年よりも順位を1つ下げると野口氏は見ている。「このゴタゴタは大きいと思います。こういう問題が出ていなかったら優勝はジャイアンツかなという気もするんですけど、やっぱり大きいですよね」。選手の動揺は決して小さくはなさそうだ。
昨季来日1年目で大活躍したマイコラスが今年は出遅れ、期待のドラ1桜井もオープン戦は苦しんだ。
「桜井は大学時代にあれだけ牛耳っていたパターンというのを、キャッチャーをやる先輩たちにやっぱり知ってもらうべきでしょうね。全員が先輩になるわけなので、『こうやってました』という話をしっかりして、オープン戦で試してみればいい。ただ、その結果としてやられているのであれば、ちょっと厳しいかなと」
また、打線については、新加入のギャレットへの周囲の期待は大きい。オープン戦では結果を残しているものの、野口氏は「今、他球団が探っているところで、どうやって抑えようかというのが少しずつ出始めたところだと思います」と指摘。シーズンが始まってみないと、真の実力は分からないと言えそうだ。
一方で、「非常に気になる」と指摘するのが、阿部の出遅れだ。コンディションが上がらないことなどもあり、開幕2軍スタートが決定。捕手に復帰すればチーム力アップにつながると見ていたが、早くも巨人は計算が狂ったことになる。
○2位 ヤクルト(1位)
ヤクルトの2連覇は叶わないと野口氏は予想する。「ちょっと怪しさを感じ始めました。キャンプから『今年も大丈夫でしょう』と思って見てましたけど、よくよく考えてみると、このチームでプラス要素は坂口しかないんですよね」。オリックスから加入し、リードオフマンを任されることが確実な好打者しか戦力面で大きなプラスはないと見ている。
「抑えのバーネットが抜けてどうなるのかなと。あとは、便利屋で何も言わずに投げにいって、抑えてくれたロマンがブルペンからいなくなったのも大きいです。クローザーがいなくなった分を埋めるだけの得点をしてくれるかというと、また別の話になってしまう。
『あとは個々のレベルアップを』というところだったのですが、畠山が離脱して、バレンティンが脇腹痛で開幕に間に合わないとなると、大変な話ですよね。キャンプからバレンティンの元気な姿を見ていて、補強に匹敵する復帰だと思っていましたが、いなくなったらまた去年と同じことですから」
投手陣では、小川、石川は安定感があり、ドラ1原の実力も間違いなさそうだ。館山も今季はフル稼働が期待される。ただ、ブルペンへの不安は拭えないという。
「小川、石川はそれなりにやってくれそうで、原が良さそうなので、そこはプラスと捉えてよさそうかなと。ただ、杉浦もあまりよくなさそうですね。ブルペンは、去年は3イニングを4人で抑えていたところを、2イニングで4人使わないといけないような状態になるかもしれない」
今季も優勝争いに絡んでくることは間違いなさそうだが、昨季後半のような強さを見せられるかは分からないと野口氏は見ている。
○1位 阪神(2位)
野口氏が優勝候補に推したのは、金本新監督の就任で明らかに変わり始めている阪神だ。「チームの雰囲気が去年までと全然違う。キャンプに行った時も、すごく変わってましたよ。星野さん以来、ああいう熱い方が監督をやっていませんでしたからね。阪神が優勝すると思います」。大きな期待を持てるシーズンとなりそうだ。
「横田と高山の2人が必死になってやってますよね。横田は身体能力が高いし、機動力も使える。鳥谷、ゴメス、福留の3人が無事に元気に過ごしているのも大きいです。福留はオープン戦で見ましたけど、抜かれたチェンジアップを下半身で粘って、ガツンと打つようなバッティングをしていたので、今年も大丈夫と思いました。悪いところで低空飛行するんじゃなくて、高いところで安定していってくれるかなと。あとはやっぱり尻に火の付いた西岡が成績残すかなという気がします」
打線は中心となる3人が順調な上、若手の台頭などプラス面が多い。一方で、新クローザー候補のマテオにだけは、不安があるという。
「唯一の不安はマテオですね。あの投げ方であの球種なので、右打者にはほぼ打たれないと思います。ただ、左バッターどうするかなと。膝下にスライダーばかりでは……。チェンジアップでもツーシームでもいいので、反対に逃がしてくれるような球があると、幅が一気に広がるのですが。
オープン戦を見ていると、真っ直ぐすらほとんど投げないんです。カットボールとスライダーだけ。チェンジアップも投げられるはずなんですよ。そうすれば、去年までの呉昇桓ばりのクローザーになると思います。スライダー1個だけを見れば、えげつないボールです。でも、日本の野球はそればかりでは……。チェンジアップはオープン戦ではワザと見せなかったというだけならいいんですけど」
それでも、藤川も加わった先発陣は、メッセンジャー、藤浪、能見、岩田と実力者が揃う。ブルペンも、マテオまでつなぐ顔ぶれは多彩だ。「先発はしっかり5枚いるので大丈夫だと思います。福原も元気だし、歳内や鶴もいい。左の高橋聡文も入ったので、その分、去年より厚みが増しています」。他球団と比べると、明るい材料は間違いなく一番多い。
昨年3位から優勝へ。2016年は、阪神が熱いシーズンとなるかもしれない。