10/11(水) 8:13配信
盗塁王、最高出塁率のタイトルを獲得した広島・田中広輔 セントラル・リーグは10日の阪神-中日戦で、レギュラーシーズンの全日程を終了。これによってタイトルホルダーも確定した。広島・田中広輔は盗塁王に加え、最高出塁率のタイトルを初受賞。目立たないが、リーグ連覇を果たした広島にあって田中の貢献度は極めて大きい。
数ある打撃タイトルの中で、「最高出塁率」は注目度が少ない。NPBで表彰される正規のタイトルだが、ほとんど報道されることはない。それはこのタイトルを取る選手が、首位打者や本塁打王など、他のタイトルも併せて取ることが多いからだ。
出塁率は「打率+四死球での出塁率」だから、打率が高い打者は出塁率が高くなる。また、本塁打者は勝負を避けられることが多く四死球が増える。このために、首位打者、本塁打王が最高出塁率のタイトルを取ることが多いのだ。
しかし田中は今季、打率は.290(11位)、本塁打は8本(29位)。それでいて出塁率は1位の.398、これは田中がいかにボールを見極めて四球を選んだかを意味している。
今季、セ・リーグ打者の総出塁数(安打+四死球)5傑を見れば、田中のすごさが見えてくる。
田中広輔(広)268(164安打89四球15死球)出塁率.3982
丸佳浩(広)258(171安打83四球4死球)出塁率.3975
筒香嘉智(De)238(143安打93四球2死球)出塁率.396
坂本勇人(巨)228(157安打68四球3死球)出塁率.372
山田哲人(ヤ)227(130安打91四球6死球)出塁率.364
田中は今季全試合に出場し、164安打を打った上に89四球を選んだ。また中日のゲレーロと並ぶリーグ1位の15死球、合わせてリーグ1位の268出塁。同じくリーグ屈指の出塁率を誇るチームメートの丸を僅差で押さえて出塁率でトップに立った。筒香、坂本、山田というリーグ屈指の強打者を抑えての最高出塁率で、値打ちが高い。
ちなみにセ首位打者のDeNA宮崎敏郎は打席数が少ないこともあって総出塁数197、出塁率は.377、本塁打王の中日ゲレーロは総出塁数170、出塁率は.333だった。さらに、パの総出塁数1位は、262の西武・秋山翔吾。田中広輔は、今シーズンのNPBで一番多く塁に出た選手なのだ。
田中広輔、丸佳浩に加え、広島は鈴木誠也も出塁率.389で5位につけている。その結果として、広島はチームの総出塁数も出塁率も1位だ。
今季の広島はチーム打率も.273で1位だったが、それを得点に結びつけることができたのは、高い出塁率があればこそだ。その意味でも田中の今季の活躍は、MVP級だと言ってよいだろう。