巨人「3軍」存続不安 27人大所帯だが「大ヒット」出ず廃止を勧める声も
7/31(月) 16:56配信
巨人では、3軍制の旗振り役だった堤前GMが志半ばで退団し、育成選手を大量に抱える意義が問い直されている。
育成選手の青山誠外野手(28)、増田大輝内野手(23)が28日、球団と支配下選手契約を締結。4月に登録された篠原慎平投手(27)を含め今季、育成契約からの昇格は3人となった。
それでも狭き門だ。2015年途中に就任した堤GMは3軍制の復活を掲げ、同年秋の育成ドラフトで7選手を獲得。昨秋も8選手を指名し、今季開幕時点で育成選手は総勢27人の大所帯に。これは1軍登録枠上限の28人に匹敵する規模だ。
だが補強失敗で球団ワースト13連敗を招いたとして、6月に堤GMが引責辞任。球団内には「3軍をどうするのか」と先行きを危ぶむ声が上がった。「ソフトバンクが強いから、マネをして3軍をつくっただけ。ドラフト上位もろくに育てられないのに、育成選手を大量に抱えても本末転倒だろう」と廃止を勧める球団OBもいる。
育成選手制度の草創期には山口鉄(05年育成1巡目)、松本哲(06年育成3巡目)が2年連続で新人王に輝くなど、新たな人材発掘の鉱脈となる可能性を感じさせたが、近年は“大ヒット”から遠ざかっている。今季昇格した3選手にしても、チームの根幹ではなく枝葉のタイプだ。
本紙評論家の須藤豊氏は「巨人の急務は阿部や村田に代わる主力を用意すること。育成選手から育てるのは難しいが、広島のように外国人ならば可能性はある。実績があり性格もいい助っ人はお金がかかる上、日本に合うかはまた別問題。育成制度を活用できるのではないか」と提案する。
今季広島は育成契約2年目のバティスタ、メヒア両内野手を支配下登録。前者はすでに1軍で7本塁打を放ち、37歳のエルドレッドの後継大砲候補に名乗りを上げた。
巨人も昨季から、堤前GMに近いルートで探してきた外国人の育成選手を抱えるが、今季も投手3人、内野手1人の評価は上がらず。3軍の存在意義を示すためにも、そろそろ育成出身の“大ヒット”がほしい。